「ここか」

目の前には探していたクラブハウス。見上げると色彩鮮やかな電色が夜の暗さに光を放っている

俺はフレンツェンがどういう場所か調べて、着慣れない服装を身に纏っている。

金は一切掛っていない。

妹が俺の持っている服でコーディネートしてくれたから

フレンツェンには人が途切れること無く出入りしている。

俺も流れに乗って中に入るとやたら目線を感じた。

もしかしたら一人ではまずかったのかもしれない・・・

やはり場違いだろうか・・・

高い音が鳴る店内を目当ての相手を探しながら歩いた

「あのぉ〜おひとりですかぁ」

声を掛けられて振り向くと、いかにも遊んでますという雰囲気の女の子達がいる

先程から歩く度に掛けられる 舌ったらずな声に正直勘弁して欲しいと逃げたくもなった

「悪いが探している人がいるから」

誰かと一緒に来るべきだったと後悔して溜め息着くと、カウンターの中に探していた相手がいた。

俺は迷わずそこに行くと椅子を引いて座り声を掛けた

「小田切…竜」

その声に彼は顔を上げた。



お互いに多分驚いた顔をしてるだろう

俺は彼が俺を知っているっという事に

彼は俺を知っていたのだから俺が此処に来たことに

「俺の事知っているのか」

「同じクラスだったし」

てっきり誰だって聞かれると思っていたから出鼻をくじかれた。

しかしそんな事は問題じゃない

小田切が学校に来る気があるのか無いのかが今一番の問題だ

「一人か」

「悪かったな」

「いや…別に」

「遊びに来たわけじゃないんだよ」

「…何しに来た」

「小田切竜に会いに」

「は?」

俺が眼鏡を上げながら微笑む。

小田切は一瞬呆気に取られた顔をしてたが

直ぐに凄い敵対心を放ちながらグラス研きに手を動かした。

その姿は様になっていて男の俺でさえ惹かれるものがあった。


少し見すぎただろうか彼は怪訝そうに横目でみている。

警戒心をなくすという試みはあえて飛ばすことにして本題に入った

「小田切、学校来ていないだろう」

「関係ねぇだろ」

「悪いが関係あるんだ」

「どういうことだよ」

「詳しいことは学校に来たら嫌でも分かるから此処では言わない」

「…」

「因みにさっき言った小田切に会いに来たってのは本当だからな」

学校の話を持ち出されたのが気にくわなかったのか、彼は何も言わず俺をただ睨んでいる。

ここからがある意味で本題だから気を引き締めないといけない。

自分自身でも心構えをした。

学校に来るか来ないかは小田切自身の問題だから今回俺は背中を押す役割をするだけ・・

「武田にキミと隼人との喧嘩の話は全て聞いた」

武田と隼人そのニつの名前が出てきた瞬間に

小田切の手の動きがピタリと止まる

此処までは予想通り・・・此処からが彼の動き次第になってくる

「タケが?」

「俺に相談してくれた」

「なんで」

「それは何故俺が武田に相談されたかという疑問でいいか?」

「…。」

「無言は肯定と取るからな」

小田切は何もせずに俺を睨む。俺も答えるように小田切の瞳を真っ直ぐと見た。

周りではポップなサウンドが流れているのに俺にはまったく耳孔には届かなかった

相手は探り合うような目で見ている

「武田は、小田切竜と矢吹隼人がこのまま誤解したまま卒業するのは嫌だと言った・・

お前達小学校からの友人何だろう?」

「何処まで知って」

「武田に相談された事だけだ」

「あいつ・・・お前には関係ねぇだろ」

「その事に関しては関係ない。直接関わってもいないからな。

けどな武田に関してとお前が来るか来ないかは関係大有りだ。

武田は俺にとって大事な奴だからな。勿論3Dもだが」

「生徒会長だからか」

「違うな。仲間だからだ…それに会長職は元だ」

「あんた何が言いたい」

「武田が悩んで相談して小田切竜は解決するために謝ったんだろ…

それなのに何故お前は解決したのに自らが新しい悩み事になるんだ?」

武田の悩みってのは小田切が謝った時点で消えるはずだった。

しかしそれは新しい悩みへの糸口にしか過ぎなかった。

小田切のその時のやり方に付いて悪いと言いたいわけではない。

むしろ小田切は正攻法で優しいやり方だ。

しかし誤解をさせないやり方は多くあったと俺は思う。

「小田切竜が来ない理由は理事長と話が着いているからって聞いている。

偏見はないが3Dでしかも暴力沙汰を起こしている奴が何故素直に聞き入れる」

小田切は何も言わなかった。

本当は理事長だけではない小田切の家で何かしらの事があるのかもしれない…

けれどそんな事で来ない奴には俺には思えなかった。

出来れば来て欲しいそれに誤解というものを解いた方が良い。

小学校からの友人ならなおさら。

俺は小田切と話してみて背中を押すっという理由を一番に此処に来た。

しかし彼と会話こそ殆んど無かったが考えは変わっていた。

彼を学校にこさせる。それが一番に頭を占めた。

きっとそれは生徒会として、日夜お節介な事をしてきた延長戦なのかもしれない。


今までは自分の事で精一杯だった

俺が自分から仕事でもなくそうしたいと思うのは初めてだから、本当は戸惑っている自分も確に居る。

小田切を前に俺は何をしているんだとも思うけれど

思考とは関係なく考える前に体が動く

そう思うと隼人達の影響力は凄いと改めて感じる。

だから小田切に関しても自身分かっていなくても

彼の影響を受けたいという身勝手な欲求なのかもしれない

「仕事中悪かったな。」

「いや」

「         」

「…」

「また会える時に。それじゃ」

「…

俺はカウンターに手を伸ばし小田切の襟元をひっぱって一言言ってやった。

それと同時にあるものを渡す

彼はどう思うかはわからないが俺にはこういうやり方しか出来なかった。

帰って武田に報告したら何を言われるか分からないが。

小田切がこのまま音沙汰無しに卒業しないよう心から祈ろうと思う









「小田切に会えて良かった」






NEXT→09









---あとがき---
うがー・・・・・意味不明!!!
文才なさすぎなんだって・・・
もう駄目だよ!!(落ち着けって)

読者様には読みづらい文章だよ本当に・・・

次はやっと一話ラストですかな?
長くお待たせして申し訳ないです。

此処までお読みいただいて有難う御座いました

(背景、ワインって店ではないと思いますが此れで・・・)