あいつは来るのだろうか…

何やら山口も動いていると武田から聞いた。

山口にはたくさんの疑問がある

義務教育を過ぎているのに何処まで生徒の事情に入り込むのか…

俺は頭に浮かぶ疑問に只自問自答して河川の土手を歩いた。



ふと見たことの有る男が川端の土手にいる。

俺は一瞬戸惑ってこのまま通り過ぎようと思った、

それなのに前はあまり話せなかたっという事が頭を過ぎる

考えで行動したわけではなく身体で行動をしていた

「何してるんだ」

「…お前」

相手の後ろから声を掛けると。その男小田切は振り返って驚いた表情をしている。

俺は小さく笑った

「こんな時間に何してるんだ」

「関係ねぇだろ」

「まぁ確に」

「お前こそ何で」

「俺は今から学校だから」

「は?こんな時間にか」

「ああ。一応一般生徒は週に二回学校に行けばいいって事になってるんだ・・因みに俺はそんなものないがな」

「あっそ」

「そっちは?」

「別に」

会話になっていない会話。

向かい風が心地良い感じがした

まだ隣に居る感じだと壁があり踏み入る事は出来ない。

何処か拒絶している…そうお互いに。

俺は今まで関わった事のない人間に何とも言えない感情を抱いた。

3Dも個性が強くてバラバラで関わった事のない人間ではあるが、小田切はそれとは何処か違う。

いや多分何処となく似ているのではないだろうか・・だからそんな感じもするからかもしれない。

関ったことのない個性に混じり合う似ている部分に

「人ってさ、どうして矛盾することばかりするんだろうな」

「は?」

「本当は小田切竜に学校に来て欲しいから実際は会いに行った。だけど素直に学校に来いとは言えないんだ」

「…」

「それはあまり面識が無いからかもしれないし、武田から相談されただけだからかもしれない…

俺は先生じゃないから小田切に無理に学校に来いと言う権利は持ち得てもいない。

けれど俺は本人の意見を尊重したい…今の時点で来る気はあるのか?」

「関係ねぇだろ」

「前にも言ったが関係無くは無いんだ・・・武田にこの話を相談された時点で少なからず関係がある」

「何がいいてぇんだ」

「よく考えろ…今の状態が本当に良いものなのか」

「…」

「もう一度聞くお前は学校に来たいか?」

まだ寒々しい風が頬をなぜた

ずっと視線を合わせてくれなかった相手の瞳とカチ合う

聞こえるのは川の流れる音

遠くで聞こえる掛け声は少年達の草野球

暫し時間が止まったような感覚にも陥った

「学校には行きたい」

ほどなくして口を開いた小田切。

行きたいその言葉を聞けただけで何故か自然と口許に笑みが出来た。

行きたいという気持があるだけで十分な結果だ

後は本人の行動力だと思うから。

俺が見る限り、誰かの言うことを素直に聞くなんてタイプには絶対に見えない。

それに何故だか彼は学校に来る気がした

「小田切。楽しみに待ってるから」

「お前・・何でそこまで俺に関わろうとするんだよ」

「何故って…小田切は武田の為に謝ったんだろ。

だったら小田切は優しい奴だと俺は思うから。だから関わりたいんだ」

「意味わかんねぇし」

「意味なんてないから当たり前だな。小田切を見てそう思っただけだから」

精一杯俺は笑った。

彼は目線をはずしていて、どういう表情をしてどう思っているなんかはわからないが

自意識過剰かも知れないけど彼に俺の気持は全て伝わった気がした

「待っているから」

「わかんねぇぞ」

「勝手に待っているから平気だ」

「訳わかんねぇし」

「生徒会長として生徒を信じないなんて許すまじき事だと思わないか?」

「元じゃなかったのかよ」

「元でも同じような物だ」

「違うと思う」

「気にしないでくれ」

「・・・・」

俺は立ち上がると、付いた草を払いまだ座る相手を見下ろした。

何気無い風か俺達を横切る

少し繋ぎ合った気持がまた離れていく感じかした。

これ以上は無理だと判断した俺は鞄を拾うともう一度彼をみた

お互いに思うことは違えども最後に行き着く事は同じこと

学校に来るか来ないか

背中を押す事は出来たと思う。

あとは繋ぎ合わせる部分だけだ。

俺はまたなっと一言呟いて彼の元から歩き出した











小田切は一人去り行く背に呟いた。

もしかしたら自分は彼の言葉に少なからず心動いているのかもしれない

そう思うと何だかくすぐったいようなそんな気持ちになった

去りゆく背を目線で追うと小田切は高い空を見上げた








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---あとがき---
あれ?あれれ??
はい。うそつきました・・・次はラストじゃなかった!!!!(泣)
小田切の気持ちの変化編です・・
こんなんで小田切の気持ちの変化が付いたかは良く分かりませんが・・(オイ!)

だんだん強引な展開に持ち込んですみません;;
次で今度こそ一話ラストですので!!

最後は第三者視点で!
主人公がいらっしゃらない場合はそうなると思います。


此処まで読みいただいて有難う御座いました!!




また背景間違ってないか・・自分・・・・