そんなこんな考えているとD組の教室塔までついた。
いちいち靴を取り替えるのが面倒だが土足で入れるから良いと思おう。
ローファーの音をカツンと鳴らしながら歩く
今はまだ断末魔の声は聞こえない
ただやっぱり盛り上がっているらしい声は響いてきた
「大丈夫なのか・・?」
知らず知らずのうちに俺は呟いていた
まさか女性に手をあげる何て事はしないだろうから平気だと思うが
教室の窓から見てみると案の定人の話なんか聞いては居ない
やっぱりなぁっと思った
それに入って良い物か分からない感じだったが、
気にすることはないだろうと音もなく普通に後ろから入った
そしたら、山口は何かを持っている。
作文?
それを片手に顔を上げてこちらをみた
それを煩くても聞いていた全員の目線が此方に向いた
正直恥ずかしかった
「何だ遅刻か?」
「いえ」
「お前は他の生徒と違って真面目なんだな」
「は?」
「見た目で判断するわけじゃないけどガラの悪いじゃないか。な?」
「はあ…」
「あ。私はこのクラスの担任になる山口久美子。 あだ名はヤンクミだ。宜しくな」
ヤンクミ…
そう言って微笑む彼女に何処か好感が持てたのは俺だけだろうか…
まぁこの学園に女は二人だけだからそう思ったのかもしれない。
眼鏡に赤ジャージなんて見るからにダサくて
今まで黒銀の紅一点だった白鳥先生(本当はもう一人いるがな)
とは随分違うとマジマジと見てしまった。
「
惚れちゃった?」
近くに居た武田がそう言ってきた
「そんなわけないだろ。ただ白鳥先生とは随分違うなと思っただけ」
「あーあのピンクね」
ピンクって…
軽く酷いのではと思ったけど言わないでおいた
「あ。山口先生…此処の担任の先生になるんですよね」
「そうだけど」
「これ、今日のプリントです」
言いながらドサリト教卓に置いてやった。
毎回凄い量だと感心する
「え、お前が此処の学級委員か何かなのか?」
「あ。俺はA組です」
「え、A組の奴が何故此処に」
「任意登校ですから…それに進路先決まってるんで…
あ。でも担任の先生が駄目でしたら俺は帰りますが」
担任の山口はかなり驚いている様だった。
ガタガタっと後ろから音も聞こえた
「何、勝手な事言ってんだよ
が邪魔な訳ないだろ俺達の仲間何だからよ」
土屋が近づいてきて俺の肩を自分の方に寄せてきた。
俺だってそんな小さくはないのだが、見上げる体制になる
「そうもいかないだろ。担任の先生は山口先生だからな従うのが当たり前」
「真面目」
「誉め言葉をありがとう」
「誉めてねぇよ」
「知ってる」
少しズレた眼鏡をあげながら笑って言っやると土屋は苦笑していた
ふと山口の方を見ると何故か嬉しそうな表情をしていた
「仲間良い響きだなぁ」
山口を見て、何だこいつっと思ってたら
武田と目があって微笑まれてしまった。
考えは同じらしい。
更に手招きされたから、土屋から離れて近くの空いてる席に座る。
それが合図の様にまた騒ぎ出すD組。
「
優しいね」
「優しいんじゃない当たり前なだけ」
「先公じゃーんってか
一緒にやんない?」
隼人がそう言いながらトランプを見せてきた
授業をサボるっていう経験は皆無に等しいから俺は眉を潜めるしかなかった。
「
ー?」
「俺はいい。」
「付き合い悪いぞー」
なんて言ながら日向からカード渡された
結局俺はやらされるらしい。
「お前らそれ書いておけよ」
山口は最後にそう言って教室を出ていった…
雰囲気的に怒っていた気がする…
だから気になってしまった
「それって?」
「あぁ作文だってさ。なーにわけわかんねぇこと言っちゃってんだろうな」
「ってかジャージってありえないだろ?」
「言える言える」
「そうか・・あ。ごめん…俺ちょっと」
「何だよ便所かー」
「そんなとこ」
隼人は騙せていないだろう眉を寄せて睨んでいる
だけど俺は苦笑で返して山口の後を追い掛けた。
「せ、先生…」
「A組の」
「
と申します…」
「どうした?」
「いえ…」
「・・?・・あ。そうだ聞いて良いか?」
「はい・・俺に答えられる事なら・・」
「小田切竜という生徒が来ていないようだが」
「小田切・・」
その名前には聞き覚えがあった。
情報が早い奴らからの噂でD組には登校を認めて貰えない生徒がいると…それが小田切竜だと
それは暫くD組に居てみて、やはり噂は本当だったらという事がは分かった。
だけど直接あいつらに聞くことは出来ない。
何処かそれには触れて欲しくないっという感じが伝わっていたから
「すみませんが、俺にも詳しくは分かりません」
「そっか…」
「すみません」
「え、気にしなくていいよ! あ。
は何でD組に居るんだ?
任意でも普通はいかないだろう… パシリか?そうなのか」
山口は俺の肩に真顔でポンと手を置いて聞いてきた。
…やはり、俺は先生にはそう見えるらしい・・・驚くよりも少し悲しくなった
俺は、まだまだあいつらには近づけていない・・・
「違うのか?」
俺がD組に居る理由…それは
「パシリではありませんよ好きで居るんです」
「そうか…悪かったな誤解してたらしい」
「謝らなくて大丈夫ですよ」
「お前は良い奴だなぁ!!」
嬉しそうにバシバシと肩を叩く彼女に苦笑いしか出来なかった
でも俺の中の好感度は更に上がっていた。
何かをしてくれそうな期待が持てた。
もしかしたらこの先生なら俺に…いや俺達に何か与えてくれるのではないかと…
漠然とした思いだけど俺は思った
「それじゃぁ!また後で来るからな」
軽快な足取りで赤いジャージが去っていった
何故か目には赤の残像が焼き付いている感じがした。
これは彼女に対しての期待からなのかなんなのか…
この時は本気で分かなかった…
next→03
----あとがき---------
はい。こんな駄文で本当にすみません;;
ってか・・・校舎全部もしかして土足か!?上靴は無いのか!?(調べろよ・・)
あ。でもって今日はバレンタインデーの回でしたねぇ。
男主なんでどうなってくか全く予想できませんよ(オイオイ)
とりあえず頑張るぞ!!!!
此処までお読みいただいて有難う御座います!!