「おいお前達!次はサッカーだ!!一緒に青春の汗を流そうじゃないか」

「は?」

「なに土地狂ったこと言ってんの」

「日向!青春の汗を仲間と一緒に・・なんて素敵な事なんだ!

 ほら分かったらさっさと用意して校庭に集合だ!勿論も来るんだぞ」

「なんで俺まで」

「名指しされてやんの」

「そういう事言う口はこの口かな日向君」

「ほへん…」

山口はスキップする勢いで楽しげに出ていってしまった。

当然先生を敵視している3Dは動かない。

だから何故そんなにマイペースなのだろうか…

「俺はともかくとして、お前らは授業なんだから行かないとまずいだろう」

「いいじゃん別に」

「良くない…ほら授業ではないんだ、楽勝だろう。

 むしろ俺にはこんな授業羨ましい限りだ」

「体育あんじゃん?」

「武田。違うな数学の時間っと言うのが問題なんだ」

「どういう事だよ」

「体育は身体を動かす授業。数学は数式を解く授業。

 それなのに数学の時間に全く関係内事が出きるんだ嬉しいじゃないか」

「別に」

「お前らは授業も授業になっていないからだろう?

 俺の言うことも聞かずに毎時間な。だからそう思うんだ」

「お前が真面目すぎんだよ」

「ちょっと待て土屋、それは違う。お前達が不真面目過ぎるんだ…

 授業は聞くのが当たり前。その為に金払って授業受けてるんだ。

 逆に言えば金の無駄使いをしているのが分からないのか?」

てめぇ」

「正論だろ?」

不良ってのは自分を否定されると逆切れするらしい。

だんだんと穏やかな雰囲気が張り詰めた雰囲気になっていく。

俺は一息付いて全員を見た。そして全員の視線を受け流して口を開く

「行こう・・・数学にサッカーで単位が取れるなら皆だったら確実だろう?」

言いながら微笑んでやると一瞬にして雰囲気が戻った。

小田切が小さく「分かりやすいし」って言っていたのは誰も知らない












「お前ら動け!!」

楽しそうにサッカーをする山口を芝生で見ている俺

…何故だ?

「何でやらないの?」

「お前本気でやりたいの?」

「武田一応授業なんだけど」

「受けてるだけマシだと思えよな」

「何言ってるんだ日向」

「ほへん」

日向の頬を伸ばしながら緩い笑みを浮かべる

で、何故この様な状態かって・・・何故だろうか・・・

さりげなく俺の腰掴むのやめてくれない隼人

それに髪の毛いじるのも同様だぞ武田

「黒のサラサラヘアーはいいねぇ!俺の痛んじゃってるから」

「痛んでる様には見えないが」

には負けるよ」

俺の髪を楽しそうに弄る彼を咎めるなんて事は俺には出来なかった。

同様に隼人も。

少し遠くのゴールの前に立っている小田切に手持ち沙汰で視線を向ける

彼は今どんな気持でどんな思いであの場にいるのだろか。

俺だったら…きっと無理だ。

この状況には耐えられない絶対に

「隣体育じゃねー?」

誰かの弾む声が耳に響く

そしたら隣でセクハラしていた奴も髪をいじっていた奴も駆け出してフェンスにかじり付いた。

やっぱり好きなんだなっと何と無く微笑ましかった

俺が何故行かないかは、あまり興味がないから。

興味がないってのは男としてではなく、

今はそういうのに興味が出ないだけ。

女の子は好きだし見たい感情はある。

しかし一緒に盛り上がれないのは自分で言うのもなんだが性格なのかもしれない…

それに桃女っていうのが鬼門だ

「あれ様じゃない?」

「本当だ!滅多に見られないのに!!私達超ラッキー」

ほらきた。

前に妹に聞いたが俺はなんとかの貴公子っていう意名を持っているらしい…

巷で話題のヨン様ばりの人気があるらしいがさっぱり分からない…

女子高の娯楽に俺はなっているのか?勘弁してほしい。

女子だけではない。3Dの男子からの凄まじい目線が俺を射している

後で質問攻め必須だな



…居辛い…



逃げるようにして俺は竜の元に行った。

俺は頬を掻きながら何も言わず竜を見る竜も何も言わず俺を見る

暫く目線があったまま見ているとふっとお互いに苦笑いが出た。

「竜はやらないのか」

「お前こそ…あぁ隼人に捕まってたっけ」

「はは」

「随分大事にされてんじゃん」

「良いように使われてるだけだと思うが」

「ふぅん」

「何だ」

「別に」

竜が何を言いたいのかが分からない

俺は不思議に思ったが合えて聞かなかった。

それからお互い一言も口にしない

言葉の無い空間それは居心地の良いものだった

しかしいきなり俺の横を横切ったボール

静かな雰囲気はぶち壊しになった。

竜は俺が驚いた様子に笑っている。

俺は今日厄日かと溜息が出た

「大熊」

何だか分からないがムカっときて隣でパンを頬張る大熊の元に行った

?」

「うまいか」

「うまい!」

「そっか」

気色満面で美味しさを表現する彼にこちらまで嬉しくなった。

彼の世界は食べ物中心で回っているのだろう。

少し羨ましく思う。

そこまで一つの事に集中できたら人生楽しいのではないかと。

「俺行くわ」

「あ、あぁ」

しゃがみながら和やかな感じで大熊を見ていると上から声がかかる

俺は少し慌てながら返事をした。

竜が去っていくのを見ていたら俺は熊井に引っ張り上げられた

それと同時に聞きなれた声で呼び出しがかかる

「えー3年A組の君、君。俺達が呼んでいる。

直ちにこちらに来なさい。クマそれ持ってこい!」

「分かった!!」

「は?ちょっと待ておい!」

「君に拒否権はなーい!」

「ふざけんな馬鹿…大熊歩けるから降ろせ」

「駄目!俺が目的地まで運ぶ」

「大熊…」

手荷物の如く脇に抱えられ色気のない運ばれ方をして数秒

目的地と思われる四人の元に到着する

降ろされると思われた俺は土屋へと引き渡された。

土屋は俺を荷物持ちするはしかも軽々と…俺は憤慨しながら暴れた

「離せこら!」

「お姫様だっこにするか」

「あ。大人しくなった」

土屋がニッと笑ってとんでもない事を言う。

俺は体力の続く限り暴れようと思っていたが

流石にお姫様だっこは勘弁して欲しい。

恥ずかしいにも程があるし。

でも、ある意味楽なので持っていかれる事にした。

しかしすぐに降ろされる。

土屋達が睨むようにして誰かを見ていた

「竜!」

武田が先ゆく彼の背に声をかけた

武田は竜を誰よりも今心配している

なんだか胸が苦しくなった

「ほっとけよ」

「でも」

「もうかまうなって」

「武田・・・」

いいから行くぞ」

ポスっと頭を押されて進行する事になった。

小田切は今どういう気持で学校に来ているのか。

一人歩く彼の後ろ姿に何故か心が痛かった







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---あとがき-----
え―――――!?
このOYND作戦計画どうなの!?
微妙にドラマ無視してる時間軸。

ダメダメだ・・・。
ってかね。主要格以外を書くのは本当に楽しい!!
今回は大熊だったけど・・・
っというか「なんとかの貴公子」ってなんだろうね。
考えてなかった・・・切実に募集しとこう。
「なんとか」の部分を・・・