鞄が残っているから外には行っていないだろうし、帰ってもいないのだろう

隼人達から適当に言い訳を付けて離れ何処だと考える

確か隼人と出会ったのも屋上だった

新校舎ではあるが・・

俺は自分自身の気まぐれで屋上に行くことにした


屋上に着いて小田切に話しかけようかと思ったら

階段の踊り場で彼とはち合った

・・・」

「良かった。探してたから」

「なんで」

「さあ・・何となくだな」

上段と下段で見上げるのと見下ろすという状態

やはり竜は屋上に居たらしい

不良っというのは屋上に溜まるのが多いのだろうか・・

俺だったらば遠慮したい

この時期の日中は暖かくなることはあるが、まだまだ寒い。

態々寒い所に行くときは頭を切り替えたい時だけ

でも、そう考えると彼らもそうなのだろうか・・?

隼人と会った時だってそうだったな。新鮮な空気が吸いたかった。サボってるといわれたが・・・

大体にして何故学校に歯向かうのか・・・それ自体が理解できない

俺的意見だがあまり関らないで欲しいからな

学校側に逆らうなんて事はしない

臆病者でもそれが今までの俺のやり方だ

いや。訂正しておこう・・

俺はそのやり方しか知らなかった

この方が正しいだろう

もう少し彼らに早くあっていれば俺は変わっていたかもしれない

楽に生きていけただろうか・・・

、いま暇だよな」

「一応は・・・」

「なら付き合えよ」

「ちょっ・・・」

俺の返事も聞かず竜は俺の手首を取って歩き出した

廊下には自作なのだろうかD組の奴らが楽しそうに遊んでいる

その様子を小田切に引っ張られるまま引きずられるまま

避けるようにして歩いていく。しかもD組の視線つきで・・・・。

まぁ当たり前か。なんたって俺を引っ張って居る相手は

彼らにとって居る事自体嫌悪もあるだろうに・・・

それに知り合いだという事は一言も話していないし

まさかそうも思わないだろう

隼人と同じで接点がなさ過ぎるし、見た目の崩れ具合も違いすぎる




着いたのは音楽室

旧校舎だから当たり前なのにあるのとは思わなかった

きっと中は凄いのだろうっと思って入った

彼ら流に言うアート画は凄かったが埃はまったく被っていなかった

もしかしたら小橋辺りかもしれない

バンドでもやっているのだろうか?

「あのさ」

浸っていたらしい俺の手首を離して竜が振り向いた

心持ち少し身構える

そしたら竜は俺の肩を押さえた

「なに強張ってんの?今更恐いのかよ」

「いや・・・違うが」

「別にいいけど・・あのさ、お前が言ってた意味。何だか分かった」

「は?」

「3Dにお前が関係あるって」

「ああ・・」

「今日見て分かった。お前なんであんなに大事にされてんだよ」

「俺も知りたい。隼人の気まぐれじゃないのか」

「気まぐれね・・」

「なんだ?」

「別に。いいんじゃねぇの?お前楽しそうだし」

「どういう事だ」

「さあな」

「竜・・」

暖房の効いていない部屋は少し寒かった

少し遅れ気味の時計・・と呼んでも良いのか分からない掛け時計の秒針の音だけ響く

しんっと静まり返った室内に静寂が包んだ

「誰か・・・来た?」

その静けさに小さな足音が入りどんどんと近づいてくる

知らず知らずのうちに背中に緊張が走る

よく考えれば校舎内には
3Dしか居ないのだが・・・・


!!!」

盛大な音と共に扉から入ってきたのは隼人だった

俺は誰だかわかると肩の力を下ろした

しかし、なんとなく感じる雰囲気に更に緊張感が高まった

忘れていた

こいつらが

今は敵同士だということを・・・


「何してんだよ」

「別に」

「このやろ・・・・」

切れ掛かった様子の片一方とそっぽを向いたまま素っ気無い片一方

俺は挟まれるようにして二人の間に居た

一触即発

なすすべもない

どうしたらいいのかも分からない

俺は慌てて口を開けた

「は、隼人!!!」

。こいつとなんで居んだよ」

「それは・・・」

「俺がこいつと話したいから連れて来ただけ」

「てめぇふざけんなよ!」

「隼人ちょっと待て!!!!」

ボソリと呟いた竜に隼人は殴り掛かりそうになった

暴力沙汰はまずい。

教育上とか学校だからというわけではない

こんな事でまた殴り合いはして欲しくない

俺は臆病だから

「とめんなよ!」

「いいから、待て!」

「んだよ!」

「ケジメ付けろって言っただろ」

「だから此処で付けてやるよ」

「喧嘩で付けたら繰り返しだろ」

「此れが俺のやり方だ!」

「じゃぁ此れは俺と竜の事だ。此処に来たのも俺は了承している

そこまで殴りあいたいなら別な理由と場所でしろ!

でもな。俺は喧嘩や殴り合いでケジメ付けて欲しいとは言っていないからな

ごめん竜・・・またな」

「ああ」

「・・・・っち」

納得のいっていない隼人の顔

呆気に取られている竜の顔

そんな二人を置いて音楽室を出た

俺の中に色んな思いが交差する

元は気の合った仲間同士

一つの誤解で此処までいがみ合う関係

きっと俺が知らない奥深いことまであるのだろう

知れば知るほど難しかった

「待てよ」

俺が早足で廊下をあるいて戻っていると

後ろから追いついた隼人が俺の手首を掴んだ

今日二回目。少し手首が痛いと悲鳴をあげている気がした

「・・・・」

「お前竜となんでいんだよ」

「関係ないだろう」

「知り合いだったのかよ」

「だから関係ないだろう!」

「関係ないことねぇよ!!」

「っ・・隼人、俺を仲間にしたのは竜の穴埋めか?」

「ちげぇよ」

「では俺に何を求めるんだ」

「それは・・・」

「仲間って欠けていたら面白くない事位お前が一番知っているんじゃないのか?」

「・・・・・・」

「俺は穴埋めではない。だったら竜の位置は空いている・・・

本当はおまえ自身だって分かってるんじゃないのか」

「・・・・・・っ」

「竜と隼人が喧嘩しようがそれは普通のことだし、何も言わないが

一つの事柄をもっとよく見たほうが良いと俺は思う」

「事柄・・・」

「そうだ。それと俺は竜と知り合いだ・・・何を話そうが何処に行こうがいいだろう?

お前達仲間は恋人のように終始監視しあうわけではないだろう」

・・」

「もっと考えろ・・・っと予鈴か。

ほら遅れるのは俺が許さないからな。行くぞ」

「あ、ああ・・・」

彼の足音を聞きながら俺は教室まで戻る

竜が裏切りと言われてまで守ったもの

仲間っていうもの

友人っというもの

交差する思いを正すことは出来るのだろうか・・・











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----あとがき-----
本当にいつもながら意味不明。
最後辺り更に書いてて訳分からない事になっています。

本当に小田切と矢吹の口調がわかりません。
言い訳はビデオを繰り返しみていないから(苦笑)

でもやっと二話。
次は書きたかったOYND計画!!お楽しみに!