好きって言葉は呪文だと思う・・・
この気持ちを伝えるという事だけで自分はドキドキしてしまう
厄介な呪文・・・
キスの呪文
「あ!泰明さま」
京の都の日の光をめいっぱい浴びながら1人の村娘が振り返った
村娘が微笑みながら見たのは無表情の相手
「・・・か」
「はい!どうかなされたのですか?このような場所に・・・」
にこやかに見つめる村娘の相手の瞳を、すっと細めるようにして見つめた
見つめられている相手は首を傾げて、ただ同じようにじっと見つめた
「・・・いや・・・」
「どうか・・・されたのですか?」
「気にするな」
「あ・・はい」
泰明はふいっと顔を逸らすとの横を通った
は慌てて声を掛けた
「あ!泰明様!!」
「付いて来い」
「へ?」
それ以上は何も言わずにスタスタと歩いていく
は訳が分からず焦りながら付いていった
「ここ・・・・」
凄いっとは正直に思った
木漏れ日を受けてキラキラと光る緑一色。
ついていった森の中は静かで自分たち以外空間を閉ざしているような感覚にもなる
自分が生きていた中でこんな景色はまったく見たことがない
この危険な京の町にもこんなに綺麗な場所があったんだぁっと年甲斐にもなくはしゃいだ
「」
「はい・・なんですか?」
泰明はいつのまにか大樹の根元に腰を置いていた
近くで見るその光景は見るものを魅了するようではドキドキと胸が高鳴った
「あ。泰明さま・・・木の葉が・・」
胸の高鳴りをそのままに泰明の綺麗な髪の毛につく葉を取ろうとした
そう。取ろうとしたのだ・・・・
ガシッ!!
数秒経ってから、顔の横にあった腕を握られて
そして泰明の方へ左手で腰を引き寄せられた。
そしてゆっくりと軽い簡単なキス。
「――――――――っ!!!」
突然のことで頭が付いていけなかった
「や・・す・・あき・・さま?」
「何故だろうか。お前を見るとこうしたくなるのだ・・」
「え?」
「こんな感情は今まで知らなかった。」
「・・・・。」
「龍神の神子に問うてみた。」
「あかね様はなんと?」
「それは恋だと・・」
泰明はまるで宝物を見るような目でを見つめた
とっても大きくて
温かくて
優しい眼差し
はクスクスと笑う
泰明はを力いっぱい抱きしめて
肩におでこを置いた。
目の前にいるが
このままだとが何処かに行ってしまうと思ったから・・・・・・・・
を
誰にも渡したくない・・・・・・・・・・・・・
泰明は初めて自分にも感情があるのだと知った
「」
「はい?」
まだクスクスと笑っている彼女顔にゆっくりとキスを落とした。
頬を触る髪の毛がさらさらしていて心地よい。
泰明が唇を離すと彼女は真っ赤になっていた
泰明はその表情に優しく笑う
「泰明・・・様」
「なんだ」
「好き・・・です」
「好きか・・・・」
「分かりますか?」
「お前に教えてもらうことにしよう」
真っ赤な彼女のおでこにキスをしてゆっくりと抱きしめた
好きは貴方が知ってもらえる事の出来る温かい呪文
キスは貴方を知る事の出来る高価な呪文
---あとがき-----
初めて書いた・・・・
とりあえず我がサイトとはジャンルが違う遙かなる時空の中でです!
これは泰明なのか激しく謎で似非ですが・・・『こどものへや』の立原様に捧げたいと思います!!