「ううっ・・・・助けて〜・・・雷蔵君〜」
いや、助けてほしいのはこっちのほうです・・・
男勝りな彼女と女々しい彼氏
静かな休日の些細な自分の幸せにどうでもいい不幸が舞い込んできた
「雷蔵君!助けて〜・・・」
「鉢屋です。で、何ですか・・」
一応先輩だから聞き返さなくてはいけなのが礼儀。
因みに此処は校舎の廊下。
たまたまこの人の近くを通ったのが最大の過ちなのか、
運悪く、六年ろ組の七松小平太に捕まってしまった・・
「ハッチーかぁ・・ハッチー!!俺はどうしたらいいんだー!!」
何ですかね・・そのハッチーってのは確実にこの人の頭の変換は鉢ではなく蜂なんだろうな
って俺は虫か!
「知りませんよ」
「うっわ、冷たいー!!」
およよっと本当に泣いてるのか泣いていないのか・・いや、あれは本気で泣いてる
そんな先輩を見て俺は深く深く溜息付く。
あ〜・・・まさか俺まで不運の奴らに仲間入りなんてことないよなぁ・・
「分かりましたよ・・で。何ですか?」
「おお。聞いてくれる!?実は最近が冷たいんだよー!!」
七松先輩とくの一の先輩が付き合っているのは学園中知っていて、確実に公認。
しかし、その付き合いがまた・・・
先輩はくの一の中で特にずば抜けて成績がよく、色々知識も豊富な麗人だ
容姿も端麗で女の子らしく小さい。中身といえば・・・かなり無口で無表情。
じっと見つめて人を惑わすような目を持っている。
なんというか・・中在家先輩と立花先輩を足して二で割ったような人
あ。そういえば、二人と一緒にいるのよく見る。
そんなお方・・先輩がこの一直線突進タイプの先輩と付き合っている。
なんとも謎な関係・・・・二人はなんでも幼馴染らしいのだが、それすらも本当に謎。
先輩は本当にモテる、特に女子から。
恋狂った女子は、七松に対してとんびに油揚げ攫われたような感じでかなり殺気立っている。
恐っ!!
本当は俺もけっこう先輩好きなのはここだけの話し。
その先輩が七松先輩に冷たい?それって・・
「いつものことじゃないですか」
そういつものこと。本当は仲悪いんじゃないの?って言いたいくらいに彼女は冷たい
けど、この俺の前の先輩いわく、
「いつもはただ素っ気無いだけ!!今は凄く冷たいの!!」
らしい・・何が違うのかさっぱり分からない。
「一緒にいたいのに、ってば全然かまってくれないし・・・最近いつもよりも話し短いし・・」
お前は何処の乙女だ・・・っとつっこみそうになったのをグッと押さえて、
先程より深く深く溜息付く。
やばいな土井先生になるって。
「そんなの本人に聞けばいいじゃないですか。ね?先輩」
「へ?」
俺がチラッと七松先輩の後ろを見るとそこには実に不機嫌そうな彼女がいる。、
暫くそこにいたから七松先輩に教えようかと思ったけど、先輩の「言うな」オーラで俺は暫くは黙っていた、
なにせ先輩びいきだからね俺は。
「!!!」
「うるさい。」
ピシャリと一言。さっすが先輩だよ、その一言で七松先輩は直ぐに止まる
貴方は幼児ですか?っと言いたくなるほどに顔が泣きそうになった
「場所を考えなさい。」
「だって」
「鉢屋君だって迷惑でしょう?」
先輩はちらりと俺を見て言い放った。俺のこと鉢屋だってわかってたんですね・・お見事。
「ごめんね・・。」
「私じゃなくて鉢屋君」
「はっちーごめんね〜」
犬のようにしおれながら謝る七松先輩。俺よりは背が低いからなんていうか飼い犬。
うん、そう思うのは仕方ない気がした。
「悪かったね、鉢屋君」
「いえ、気にしないで下さい」
先輩は俺よりもずいぶんと背が低い。けど、しっかり先輩という感じがある。
なんていうか―――高級な血統書付きの子猫ちゃんみたいな・・・高貴オーラが出てるんだ
「いくぞ、こへ」
「え、どこにだよ?」
「来い!」
そのまま先輩は踵を返して去っていってしまった。
それを追いかける犬な七松先輩・・・あ〜・・カッコいい〜。
後ほど聴いた話によると、七松先輩が浮気してるんじゃないかって話しがくの一に流れていたらしい。
たぶんそれはくの一からの些細な七松先輩への復讐心だろうけど・・
普段気にもしなさそうな先輩が不機嫌になるんだって思ったら、どうしても笑ってしまった。
意外と可愛い人なんじゃないですか先輩。
因みに聞いた噂の相手は男らしい・・・
その相手は上級生・・・俺じゃないことを切に願いたい。
---あとがき-----
こへ夢でした!!
ぱっと思いついて30分もしないで書き上げました。
うわー・・・なんか小平太はうちのサイトでは子供度が・・・
それに微妙にヒロイン×小平太 な感じがする。
そんでもって鉢屋にする必要はあったかといわれば無いような・・寧ろ文次郎でも良かったような・・
でも頭に浮かんだのははっちーこと鉢屋君なのでいいんじゃにかしら?
最後ちょっとだけCP要素入れてしまった・・
女は恐い生き物だっという感じで終わらせたいと思います。