ありがとうって何度も言いたい

大好きって何度も言いたい









「仲直りきねーん!」

「は?」

「俺達竜に悪い事しちまったしさ」

日向の言葉。

俺がもともとの原因だけど、二人が仲良くなって本当に良かったって思う

調子良いかもしれないけどさ

ちらりとを見ると密かに微笑んでいて、あぁそうかって思った。

誰よりも俺達の事思ってくれてたのはだって

「竜、本当に悪かったな」

「別に」

「俺も悪かった…すまん」

「日向もツッチーも良いって」

竜が頭を下げる二人に苦笑して答えている


「んじゃー記念パーティーやっちゃう?」

「「「いーねー」」」

俺を含めた三人の声が教室内に響いた

人数は俺たちとを含めた六人

全員帰っちゃったからね


「騒ぎたいだけじゃん」
「遊びたいだけじゃないのか?」


竜とが同時に言った

あ。似てるって思った

本人達もそう思ったみたいで顔を見合わせて笑っている

いーなーって単純に思った

「竜ーちゃーん?今回の事は悪かったけどの事は別だからな」

「は?」

「手ぇ出したら半殺し」

「はぁ?男に手出すと思ってんのかよ」

「どーだか」

あ。ちょっと嫌な雰囲気

ぐずくず言わなのが男と女の違いだけど嫉妬深さは男が勝る…

あーあ…なにこの雰囲気

「お前ら俺で遊ぶなよ…」


溜め息


隣に座っているが言葉とは裏腹な、優しそうな笑顔で二人を見ていた

また、いーなって思った

「そーと決まれば買い出し」

「誰行くよ?」

「正当にジャンケン希望」

「ジャンケンまじ俺強いよ!」

「タケいっつも言ってるから」

「今回はマジだもーん」

「“は”?」

「“も”!」

「あ。俺弱いから」

ジャンケンなら負けない自信があるのは本当

他ので負けるのは周りが強すぎるだけだって!

技術はあるんだよ?たぶんね

そんなコト思ってたらがポソリと呟いた

ジャンケン弱いって・・・

「嘘だー」

「嘘じゃない。俺は勝てない」

ジャンケンを弱いと言うは何故か照れていて、でもかなり可愛かった。

男に可愛いはおかしいかな?

でも皆も思っているみたいでを笑顔で見ている。

可愛いって思ったのが俺だけじゃないのは、ちょっとだけ悔しかった

も所詮は人間の子ってか?」

「日向。意味がわからないんだが?」

「ほへん」

最近良く見掛ける日向の頬伸ばしの光景

それをジーっと見ていたら俺の頬を捕まれた

「すっすぃー…」

「タケも良く伸びんね」

笑われながら手が離れると隣から視線を感じる

「な、なに?

視線に言葉で返すと頭を撫でられた

あ。また何か悔しい

「うっし!ジャンケンね」

最初はグー…

勢い良く六人の手が真ん中に集まる

結果は…












「マジでが負けると思わなかったし」

「ってかさー。何で一回目で負けんだよー…」

結果は以外皆パー

俺達全員が揃ってることも驚いたけど

が1人グーなのも驚きだよ

が言ってた事って本当だったんだ

酒買ってくっかなぁ」

「静かに怒ってたもんな」

結局負けは負けで、買い出しはになった

一緒行く?って聞いたけど断られたから行かなかったんだ

それでその時にパーティーには酒が必要だと

隼人がに頼んだもんだから大変だった

は基本的に真面目

無言で何も言わずに教室を出ていったんだ

俺、やっぱり付いて行けば良かったかも…

「ま。いーんじゃねぇの?無いなら無いで」

ツッチーがいつもの様に扇子で扇ぎながら気楽に言った

そうだね。まぁいいか













が出て行って暫く経った。

トランプもやってダーツもやって、教室の中はゴチャゴチャ

折角 が整理整頓していた教室は凄い状態

どんちゃん騒ぎをした後の状態って感じ。

あとで怒られるの覚悟しないとね。

「お前ら何でと一緒に居んだ?」

やる事も無くなって来た時に今まで殆んど話さなかった竜が言った

俺と日向は顔を見合わせてツッチーは笑っていて

それを答えたのは隼人だった

「気に入ったから」

「気に入ったからって此処まで一緒に居る理由あんのか?」

確に俺達とは違い過ぎるし

育った環境も学校の中での存在も違うから一緒に居るなんておかしい

「理由なんてねぇよ」

「まぁな。確に理由はねぇけど

あいつは何か違げぇんだよ…理由なんかいらねぇ」

真面目だけど違う

留め金…そう。留め金なんだ

「…留め金ね…」

「あ。聞こえてた?」

「ばっちし」

「タケ良いこと言うじゃーん」

日向におもいっきり背中を叩かれた

ちょっと痛い

「なんでかわかんねぇけど、あいつと居っとさ…

何にも考えなくて済むんだよ…落ち着くっていうかさ」

隼人が笑いながら言った

うん俺もそう思う

は凄く落ち着くんだ


「それはどーも。だけどそれは俺が考えるからじゃないのか?」

カシャンっと音が聞こえて、

何だ?っと思って上を見ると隼人の頭の上にコンビニ袋が乗っていた

「冷た!!」

缶の擦れるアルミの音が袋の中で聞こえてて

透けて見えるラベルは明らかに酒だった

!」

隼人が叫んで袋を取りあげる

日向と一緒にすかさず中身をチェック

あ。やっぱりお酒だった

酒買ってきたんだ」

「土屋。お前達が買ってこいって言ったんだろうが」

「良く買えたね」

俺の言葉に全員無言でを見る。

は俺を見る…

えっ何かまずいこと言ったかな。俺?

「ああ・・・店員が黒銀の生徒で、頼んだら売ってくれた」

…は?

頼んだだけで酒を売ってくれんだ…

しかも黒銀の生徒が…?

の格好は黒銀の学ランでいつもの眼鏡。

隼人が何度開けても閉める第一もやはり閉めている。

いわゆる優等生な格好。

それでも売ってくれるのは仁徳かそれとも適当な店員か

「ついでにこれ」

更に袋が出てきて中には箱が何個か入ってる

読めない横文字と読めない漢字が書いてあって明らかに高そうな箱

受け取ってはみたものの、どうしていいか分からない

「ワイン・・・」

「日本酒?」

「な、なぁ・・これいくらだよ」

「しらねぇよ」

ボソボソと呟く俺たち

は律儀に買ってきたらしい紙コップを出しながら首を傾げていた

「酒を買ってから呼びとめられてさ。

なんだと思ったら酒屋の息子がうちの学校に居るから連絡しますって言うんだ…

近くだったらしくて、すぐに来てこれをくれた…」

「くれたってお前…」

「貰ってくださいって言うが悪いと断たんだ…」

の言葉に絶句&唖然。

「いや、いいよ!そこは素直に貰っておこうぜ!」

やはり悪かったかなっと呟いているに全員が慌てた

真面目なのは分かったから折角貰った物返さないでよ、

「何でも俺の支持者らしい」

「「支持者!?」」

日向とハモった

あ。ツッチー、扇子斜めってる

「支持者ってお前」

「学園牛耳っちゃってる?」

「変な事を言うな日向」

「ほへん」

「お前…」

竜が驚いた様に呟いて

ツッチーは更に扇子が傾いてて

日向は頬を伸ばされている

その中でクックッて笑い声が聞こえた

見たら隼人が腹を抱えて笑っていた

「何だよ…」

「クク…やっぱ最高…俺の目に狂いはなかったわ」

笑っている隼人につられるように俺も笑った

日向も頬を押さえながら笑っていて

ツッチーも扇子で扇ぎながら笑っている

「何だよ…」

「そういう事かよ」

最後に竜が口元に手を置いて笑いだした

本当に楽しいは楽しい。

が俺達に新鮮さをくれる

だから大好きなんだ。









「「「かんぱーい」」」
「「乾杯」」




















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--あとがき--

武田君視点でお送りしました…
別の人の視点になるととても難しい…
って事でdivision08その後です。
違和感無く小田切を溶け込ませたかったっという理由がありましたが

あまり意味がない話しになってしまいました…

そして背景に異様な圧迫感を感じるのは管理人だけだろうか・・・

此処までお読み下さいって本当にありがとう御座いました!