何だかんだ言いながら日暮れになるまで竜に俺は付き合ってしまった。

武田の時も思ったが、こうやって年代が同じ男同士で遊ぶのは本当に楽しいものだと思った

とは言っても、武田とは違って静かなものだったが・・・・。

歩きながら首にかかるネックレスが揺れた

街を歩いているときに、竜がふらりと立ち寄ったお店のもの。

十字架の真ん中に黒の石がついているシルバー製のもの

それは俺が初めて入るお店で売っていたもの

その店に竜が入った後、少しの挙動不審になりながら

店内を竜の後ろについて周っていると、一つのガラスケースの前で竜が止まる。

俺はキョロキョロと見ていたため前方不注意により竜の背中に見事にぶつかってしまった。

くいこんだ眼鏡と鼻をさすりながら見ると、

竜は店の人と親しそうに、ある一点のものについて話していた。

それが今、俺のつけているネックレス。

後から竜に聞いた話だが、ここは竜や隼人達がよく来る銀細工の店らしい。

けっして広くはない店内に20代後半くらいで雰囲気が落ち着いていて、

マスターと呼ばれる男性と何本ものみつあみを頭で編んでいる女性・・

因みにあれは何ヘアーというのだろうか・・

その2人で働いているらしい。その2人しか見当たらなかった

俺自身には何が良くてこんな硬くて大きいものを着けるのか理解できない。

しかも値段が高額すぎる。

あいつらはこんなに高いものをしていたのかと溜息が出た。

竜は見ていたものから目を離すとマスターと呼んでいる男に何かを話していた

俺はその様子をただ一人で眺めていた。



















洋楽が流れる店内に客は、俺と竜の2人だけ

竜はそのままマスターについて行ってしまった。



竜が奥に入った後嫌な予感が俺を疼かせた

そういう嫌な予感は当たる

「マスター!」

「おい、いねーのかよ!」

俺の後ろにある店の唯一ある入口から数人の男の声。

ちらりと見ると制服を着ており高校生だとわかる。

しかし、きちんとは着ていなく崩れた格好だった

あれはこの近くの高校。

「なぁ・・・あれ見ろよ」

「あ?」

「黒銀じゃね?」

「遊んでもらっちゃおーかなぁ」

感は当たった。

客は今、中に入っていった竜以外に俺一人

狭いこの店内、逃げることは出来ないし勝ち目はなくとも、暴れてしまったら

お店に多大な迷惑をかけてしまう

さて・・・どうしたものか・・・

「ねぇねぇ。ちょっと遊ばない?」

お前はどこのナンパ野郎だ・・

「ってかさぁ金貸してほしいんだけどー」

何故見ず知らずの奴に金を貸す必要がある。

「きいてんのかよ」

「おい、てめぇ」

初めて会った人にてめぇ呼ばわりは誰から教わったのだろうか。

俺もずいぶん変わったな。この状態でここまで暢気に考えられるとは・・

「この野郎!」

一番大きな声怒声が聞こえ、振り返るのと同時に

パシっと乾いた音が聞こえる

その音は、目の前で竜が殴りかかろうとしていた男の腕を掴んだ時の音だった

「俺の連れに何してんだよ」

「げ・・小田切」

「先輩ぐらいつけろよ。てめぇ2年だろ」

「離せ!行くぞ」

逃げ際がかっこ悪く、昔見たB級映画を思い出した

「俺は彼女かよ・・」

「別に違うし」

「はぁ・・・」

「お前後ろガラ開き」

「お前達と一緒にするな」

「してねぇし」

「あのぐらいなら何とかなるさ。」

「どーだかな」

「これでも少しは武道の習いならしているからな」

小さく構えて竜の手にパシっとこぶしを当てる。

母が昔に武道一般を俺に習わせていた。

少しでも危なくないようにと

「まぁいいけど。・・・ほらやるよ」

「え?」

首に少しの重みがかかる

シルバーの十字架

真ん中の黒の石がきれいに磨かれていた

「何だ・・これ」

「やる」

「仲間なんだから、それくらいつけておけ」

「は?意味わかんねぇし」

俺の言葉を無視してさっさと店を出て行く竜。

この場合。

もらった方がいのかもしれない。

「ありがと」

「別に」



あ。照れた



今顔を見ないで置いた方がいいかもしれない。

そう考えると、込み上げてくる笑いに口元が歪み

口を一文字に結んで洩れ出そうになる笑い声を堪えた

高いものだろうけど、彼の好意を有難く貰うとしよう。












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---あとがき-----
微妙な終わりでごめんなさい;;
そして・・乙女チック!?
主人公にネックレスあげるなんて・・・・ギャー(死)
こんなのアリなんだろうか・・・・
一応division05/06の間の話です。
ある意味デートだ・・・・
そして名前変換無くてすみません;;