俺は隼人や竜と違って、ケンカも弱いし、体張れる勇気もない。
だけど大切だから。
守るよ、キミのこと。
test & answer
「
の髪って、すっごくサラサラだよね。ちょー好きv」
「ホント? うれしーv 俺もタケの髪好きだよ。フワフワだもん」
「ありがと、
v 今日はどんな髪型にする?」
「タケとオソロのピンが良い」
「じゃ、オソロにしよっか」
「うん!」
3−Dの教室のその一角だけ、まるで女子高のようだ。
クラスメートたちは近寄り難いのか、遠巻きにその様子を眺めているだけだった。
「お前ら・・・」
呆れたように、隼人が口を開く。
「ウザ。朝っぱらから」
「いいじゃん、隼人ぉー」
「そうそう。自分にこんなことしてくれる人がいないからって、ひがむな」
「なっ! ひがんでなんかねぇよ!!」
「これだから独り者は・・・ね、ターケ」
「ね、
」
まだ1人ギャーギャー言っている隼人を無視して、
たちは再び、2人の世界へと入っていった。
「・・・うるせー・・・」
クラス全員を代表し、竜がボソッと呟いた。
・・・・・・
「今日はどーするよ?」
HRが終わった途端、待っていたかのように土屋が放課後のお誘いをしてくる。
「久しぶりにボーリングとかどーよ?」
「お、いいね〜」
隼人の提案に、賛成の声が上がる。
だが、それを断ち切るかのように、
「ごめん。俺と
、今日はダメ」
「何で!?」
「デートだからv」
ニコニコと、
が笑顔で答えた。
「最近できたカフェに行こって約束してたもんね」
「パフェがおいしーって評判だし」
「だからムリ。ごめんね」
「・・・もう勝手にしてくれ」
さすがの隼人も、とうとうサジを投げてしまった。
「じゃーね。また明日」
そう言い残し、2人は教室を出て行った。
ちゃっかり(?)ギュッと手までつないで。
と武田の熱々ぶりは、校内でも有名だった。
もはや、黒銀公認のカップルである。
「で、どーすんの、ボーリング?」
「そうだなー・・・」
「あ、俺イイコト思いついた」
いきなりそんなことを言い出したのは隼人。
「何だよ、イイコトって?」
土屋と日向が興味津々に訊いてくる。
「それがさ・・・って、お前も来いよ、竜」
直々に指名され、溜め息をつきながら重い腰を上げる。
(また面倒くせぇこと思いつきやがって・・・)
・・・・・・
「久しぶりに2人っきりでデートだね〜」
心底嬉しそうに言う
に、武田は笑みが洩れた。
「
」
「うん?」
隣を歩く武田の方を振り向くと、頬にチュッとキスをされた。
「!!」
真っ赤になる
に、イタズラっぽく笑いかけた。
「
、かっわい〜v」
「っもう、からかうなよ///」
「だって、真っ赤になった
、かわいスギなんだもん」
「〜〜〜っ///」
(何だか、悔しい・・・)
そうだ、と思いついた
は、
「タケー」
「ん、何・・・っ」
気付いた時には既に遅く、思いっきり口づけられていた。
唇に
「なっ・・・
!?」
「お返し」
「そんなことする口には・・・」
「ぇ・・・ぅん」
今度は武田から唇を重ねた。
周囲のことなどお構いなしに、イチャイチャしていると、店から出てきた集団とぶつかってしまった。
「いってぇ・・・」
「った、すいません」
と、お互い顔を上げて、
「「あ・・・」」
ぶつかったのは、黒銀とは犬猿の仲とも言える、荒高の連中だった。
((マズイ奴らに会った・・・))
武田と相手の男は同時に思った。
「これはこれは、黒銀のヨワムシ君じゃねぇか」
武田が悔しそうに唇を噛む。
気付いた
が、握っていた手に力を入れた。
「行こう、タケ」
関わるまいと、その場を立ち去ろうとした
の肩を、ガッと掴む。
「何勝手に行こうとしてんだよ」
「タケはちゃんと謝っただろ」
「まさか、謝って終わり、なんて思ってねぇよな?」
が不快そうに眉を寄せた。
一見、おっとりしているようで、実は6人の中で一番気が強い。
「少しぶつかっただけだろ」
「あー、骨が折れたかも〜」
わざとらしく言うと、周りから笑い声が上がった。
の眉間のしわが深くなる。
「
・・・」
察した武田がなだめようと声を掛けるが、聞こえていない。
「治療費、払って貰おうか」
「・・・行こう、タケ」
さっきと同じ台詞だが、明らかに怒気がこもっている。
無視して行こうとした2人に向かって言葉を掛けた。
「払えねぇってんなら・・・」
いきなり武田の肩を掴み振り向かせ、間髪置かず殴り飛ばした。
「っ!!」
「タケっ!!」
倒れ込んだ武田の傍に膝を付く。
「いきなり何するんだ!」
「うるせぇよ」
そう言うと、今度は
めがけて拳を振り上げた。
「っ!」
反射的にギュッと目を瞑ったが、振ってきたのは痛みではなく、呻き声だった。
そっと目を開けると、
「タケ!?」
に覆いかぶさるようにして、武田が代わりに殴られていた。
「コイツ、一人前に庇ってやがるぜ」
「せいぜい身代わりになって、お姫様を守ってやんな」
言いながら、全員で殴り、蹴り始めた。
「やめろっっ!!」
叫んでも、返ってくるのは高笑いばかり。
「くそっ・・・退いて、タケ!」
「・・・」
「退いてよ・・・ヤダ・・・タケーっ!」
とどめと言わんばかりに振り下ろされた拳は、武田に当たることはなかった。
「調子乗ってんじゃねぇぞ?」
男の腕を掴み、怒りに満ちた声を出した人物を見て、
は思わず安堵した。
「隼人、つっちー、日向、竜・・・」
現れた面々を、順に見る。
「大丈夫か?」
「これが大丈夫そうに見えるんなら、1回眼科に行ったほうが良いよ?」
「てめっ・・この!」
「はいはい、じゃれ合うのはそのくらいにしてさ、隼人」
土屋が仲裁に入る。
「じゃれ合ってなんかねぇ!」
「んなことより、こいつらは良いのかよ・・・」
竜の呟きで我に返る。
コソッと逃げようとしていた奴らが、ビクッとして固まった。
「いけね。忘れるとこだった」
指をポキポキ鳴らしながら近付いていく。
「ヒッ!!」
隼人:「こんだけやったんだ。ただで帰れると思うなよ?」
日向:「ここで会ったが何とやら、ってヤツ?」
竜:「違ぇだろ・・・」
土屋:「とにかく、」
ちょっと顔貸せや?
・・・・・・
「弱すぎ」
おまけというように、倒れている男に隼人が蹴りを一発。
「俺らの仲間に手ぇ出したらこうなるの。分かった?」
土屋が持っていた扇子で、男の頬をペチペチ叩いた。
「かわいー女の子紹介してくれたら、許してやってもいいぜ?」
おもむろにケータイを取り出し、日向が笑顔を見せる。
「つか、もうボコってんだろ・・・」
制服の埃をはたきながら、竜が一言。
「タケ、タケ・・・」
地面に座り込んだまま、腕に抱いている武田を呼ぶ。
「ん・・だい、じょぶ・・・」
口ではそう言うが、決して大丈夫そうには見えない。
頬は赤く腫れ、口の端には血が滲んでいる。
背中や腕、太股などに触れると、苦しげな声を洩らした。
頬に冷たさを感じて、薄く目を開けた。
「泣いて、んの・・・
?」
冷たいと感じたのは、
の瞳から零れ落ちた涙だった。
「タケが・・・無茶するから・・・っ」
「うん、ごめん。でも、守りたかったから」
「・・・」
「ごめんね、心配させて」
「っ〜〜〜・・・バカッ!」
目を真っ赤にして怒鳴った。
「バカバカ! もし、タケに何かあったら、俺・・・っ」
「ごめん、
・・・ごめん」
震える体を抱き締める。
何度も何度も、謝った。
「おーい、大丈夫かぁ、タケぇ?」
気の済むまで荒高の連中をボコボコにした隼人たちがやってくる。
「あ、ありがと、みんな」
の背中をさすってやりながら言った。
「いーっていーって、気にすんな」
照れたように隼人が返す。
「でもホント、みんなが来てくれて助かった。偶然ってスゴイね」
「偶然・・・?」
その単語にピクッと反応したのは、今の今まで嗚咽を洩らしていた少年。
顔を上げ、眉を寄せて隼人たちを見やる。
「隼人たちさ、今日はボーリングに行くって言ってなかった?」
ボーリング場はこことは正反対の場所にある。
「ぅ・・・」
(竜を除く)3人の顔色が変わった。
心なしか、脂汗もかいているように見える。
「いや、それは・・な・・・」
「・・・付けてきたな」
「!! や、付けたなんて・・・」
「正直に言った方が身の為だぞ」
「「「はいぃぃぃ! 付けてましたぁ!!」」」
すぐに白状した。
(だからやめろっつったのに)
「で、でもよ、言い出したのは隼人だぜ」
「そうそう。イイコト思い付いた、って」
「うわっ! お前ら裏切んのか!?」
「事実だろ・・・」
「竜! お前まで・・・」
半泣き状態になる。
「煩い。お前らも同罪」
「「えっ!?」」
土屋と日向も固まった。
「あと・・・」
自分は関係ないオーラを出して立っている男に視線を向けた。
「無関係そうにしてるけど、お前もだからな、竜」
「は? 俺まで?」
「当たり前」
「てゆーか、いたなら何でもっと早く出てきてくれなかったの?」
日向の方を借りて立ち上がりながら、武田が不満そうに言う。
「あー、それはさ、
に見せようと思ったわけよ」
「俺?」
キョトンとする。
「タケって弱いじゃん、ハッキリ言って」
(ガーン・・・)
分かってはいるが、改めて言われるとショックだ。
武田のことは無視して、話を続けた。
「弱ぇけど、でも、体張れる勇気はあるってことを」
クシャクシャッと
の頭を掻き回す。
「大事な奴、守る為ならな」
隼人たちの顔を順に見ていき、頬を染めて俯いた。
ボソリと呟く。
「知ってるし、強いとか・・・」
++後書き+++++
サイト相互を記念して 様に捧げた武田夢です。
タケ夢は初めてだったのですが、どうでしょう?
かわいくかわいくなるようには心がけたのですが・・・
何だか、無駄に(?)長くなってしまいました。
これからもどうぞ、宜しくお願いします。
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翠華 様からの頂き物です!!!
タケ夢を希望しました!!!
ほんっと・・・ほんっと・・・
可愛い!!!!!!!!
鼻血・・・鼻血止まりません!!!!
本当に有難う御座いました!!!
大切に保管したいと思います!
これからもどうぞよろしくお願い致します。